Thursday, August 6, 2015

おおかみこどもの雨と雪

今日はまた細田守監督の作品だ!
おおかみこどもの雨と雪

(感想)

まず本作で良かった点は、以下の通りです。

「宮崎あおいさん」演じる「花」は、子供達を必死で守ろうとする母親の雰囲気がしっかり出ていたと思いました。「彼(おおかみおとこ)」が、序盤であっけなく退場してしまったため、声を演じる「大沢さん」の出番もそこまでかと思っていたら、終盤の「花」の夢の中で登場した際ちゃんと台詞があって本当に良かったです。

また、前作「サマーウォーズ」も舞台自体は田舎でしたが、本作では、より「田舎の自然」が精密に描かれていたと思いました。既に予告編等で流されていた、「雪」と「雨」が雪原を駆ける場面はやはり圧巻でした。幼少の「雪」と「雨」が、おおかみに変身したり、人間に戻ったりしたりする場面が、とてもかわいらしく思えました。「花」・「雪」・「雨」が移り住んだ田舎の家が、最初の廃屋状態から、
次第にちゃんとした住居に変化していく様子が良かったです。


「良いか悪いか」ではなく、最後に「花」が、「雪」と「雨」の選択をそれぞれ受け入れる姿も印象深かったです。しかし本作の子供達は親元を離れるのが早いですね。


一方本作で残念に思った点は
以下のようになります。

本作の主題歌は、作品のテーマに沿った歌詞の曲でしたが個人的には前作「サマーウォーズ」の主題歌の方が良かったと思います。劇中で、「彼(おおかみおとこ)」の名前が出て来なかった点も残念でした。(一応運転免許証に名前が書いてありましたが…)また、「彼(おおかみおとこ)」の最後が不可解だった点も残念でした。
そして、「雪」と「雨」が小学校に通い出してから、「健康診断」等により、秘密がばれる危険性はなかったのでしょうか?

物語前半の都会が舞台の際は、「秘密がばれるのでは」という緊迫感が、後半になると一気に払拭された点が何となく無理があったような気がします。「雪」が「草平」を傷つけてしまう場面が、後半で唯一「秘密がばれるのでは?」と思わされる場面でした。
それにしても本作に限らず、「人間社会で暮らす人間と異なる種族」が主人公の物語等では、「如何にして正体がばれないようにするか?」という問題について、様々な対処法が描かれてきました。


それから、「自分と違う相手を、ありのままに受け入れる事ができるのか?」というテーマは昔から様々な作品で描かれてきたと思います。個人的には、今回の「雪」と「雨」のように「人間と、人間と異なる種族の間に生まれた子」が存在を否定される物語を見てきました。

「生まれて来た事自体が間違いだ」「生きている価値がない」等と、悪者に否定され、心ない言葉を浴びせられ苦悩するキャラクターについつい感情移入してしまいました。

本作はとことん、「母親の強さ」を描いた作品でした。現実では、実の親子の間で痛ましい事件が起こり、根本的な解決策が見つからず、こう着状態です。本作でも、「何としても子供を守り抜こうとする母親」と「自分の都合で子供を突き離す母親」が登場しました。
また、人目を避けるために移り住んだ田舎で、「花」・「雪」・「雨」の親子が、大勢の人達に助けられる事により、事態が好転していく場面には、「誰も1人では生きられない」メッセージが込められていると思いました。

「人間として生きる事」を選んだ「雪」の未来にも、
「おおかみとして生きる事」を選んだ「雨」の未来にも、
「希望」がある事を示す形で物語は締め括られ、
爽やかな気持ちになれました。

制作側としては、
「母親である人も、それ以外の人も楽しめる作品」
を目指されたそうで、
その言葉通り、
老若男女に関わらず
楽しめる作品だと思いました。
評価:7/10

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